エルドラージトロンと《神秘の炉/Mystic Forge》・《祖先の象徴/Icon of Ancestry》について考える
基本セットという性質上、M20からはエルドラージトロンのデッキにそのまま入るような生物が収録されるとは思えず、あまり期待していなかったのですが、アーティファクトで２枚ほど気になる新規カードがありました。
タイトルでネタバレしていますが、《神秘の炉/Mystic Forge》・《祖先の象徴/Icon of Ancestry》の２枚です。
Mystic Forge / 神秘の炉 (４)
あなたはいつでもあなたのライブラリーの一番上のカードを見てもよい。
あなたのライブラリーの一番上のカードがアーティファクト・カードか、無色であり土地でないカードであるなら、あなたはそれを唱えてもよい。
(Ｔ),１点のライフを支払う：あなたのライブラリーの一番上のカードを追放する。
Icon of Ancestry / 祖先の象徴 (３)
祖先の象徴が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプ１つを選ぶ。
あなたがコントロールしていてその選ばれたタイプであるクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
(３),(Ｔ)：あなたのライブラリーの一番上から３枚のカードを見る。あなたはその中から、その選ばれたタイプのクリーチャー・カード１枚を公開してあなたの手札に加えてもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。
前者は無色版《未来予知/Future Sight》、後者は無色版《共同の功績/Shared Triumph》といったところでしょうか。
より可能性を感じるのは《神秘の炉/Mystic Forge》のほうですかね。エルドラージトロンというデッキはマナが潤沢にあるけれども、手札に唱えるべきカードがないという事態に陥ることが多いです。そうした息切れ防止のために《海門の残骸/Sea Gate Wreckage》や《終末を招くもの/Endbringer》で手札を補充します。
なお、《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》のマイナス能力で手札を補充できるじゃないかと言われそうですが、そもそもカーンのマイナス能力でまず探しに行くべきは《マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice》であり、この２枚によるロックが完成しているなら、特に何もしなくてもそのまま勝てそうor相手が投了しそうなので今回は考慮しません。
ですが《海門の残骸/Sea Gate Wreckage》を起動できるタイミングは手札がないときに限られており、《終末を招くもの/Endbringer》についても、生きてターンが帰ってこないことには能力を起動することが出来ません。そして、基本的にこの２種類のカードはそこまでたくさん投入するものでもありません。
なので、基本的にエルドラージトロンは中盤以降トップデッキ勝負となりがちであり、それにも関わらず一定の成功を収めているのは個々のカードパワーが平均して高いことによるものです。
そうした観点からみると、《神秘の炉/Mystic Forge》はいい仕事をしてくれそうな気がします。エルドラージトロンでは、土地と《四肢切断/Dismember》を除いた３４枚程度が無色のカードであることから、設置後に連続して唱えられる可能性は高そうです（土地がめくれても一回だけなら無かったことにできますし）。
ただ、懸念点もあって、まず設置するのに４マナかかること、そこから更に呪文を唱えるためにプラスアルファの支払を行う必要があります。また、この手のカードの常として、複数枚引いてしまった時の絶望感が半端ないです。よって、今の段階の結論としては、「ポテンシャルは秘めているものの、悠長に過ぎるカード」という位置づけです。
後者の《祖先の象徴/Icon of Ancestry》についても、部族強化カードであること、２つ目の能力で手札の補充が出来ることの２点からエルドラージトロンとの相性は良いと思います。《神秘の炉/Mystic Forge》と異なり、複数枚引いても問題なく仕事をしてくれます。
ただし、やはり上から３枚しか見ることが出来ない・クリーチャーしか引いて来れない（エルドラージトロンはそこまでクリーチャーが多くない）という２点が致命的に弱いと思います。緑トロンを回していると分かるのですが、《古きものの活性/Ancient Stirrings》があれほど強力なのは、５枚の中から選ぶことが出来、かつ無色のカードなら何でも引っ張ってこられるという、選択肢の広さに裏打ちされたものだと思います。
よって、残念ながら基本セット２０２０から、即座にエルドラージトロンへ投入できるカードは無いと思っています。一応、《神秘の炉/Mystic Forge》については可能性を感じるので購入しようと思いますが…。
